平成17年2月 報告
『吹きガラス制作体験及びガラス工房館内見学』
日 時 | 平成17年2月23日(水) |
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実施内容 | 吹きガラス制作体験及びガラス工房館内見学 |
場所 | 富山ガラス工房 アフターセミナー場所 ビバラヴィータ 参加人数 9名 |
2月定例会は「ガラスを知る」をテーマに富山市古沢の富山ガラス工房にてガラスの制作体験を行いました。 天候は雪まじりの寒い昼下がり、工房のショップにて集合した私たちは まず富山ガラス工房の技術部長の野田雄一 先生から富山とガラスの関係性やこれからの富山のガラスの発展の展望などについてご説明いただいた後、制作にあたり 作品のイメージデッサンを基に担当の工房スタッフと下打合せして、いよいよ制作へ。
工房に入りまず目の前にするのが 工房の真中のオレンジ色に光る大きなガラスの溶釜。 この釜の熱気で否が応でもテンションが上がります。
3チームに分かれ順番に制作に入るのですが、何せ皆始めての体験ですから早い順番の人を食い入るように見つめ釜から ガラスを竿にとり、軽々と形を作っていく野田先生やスタッフの方々の動きを見てイメージトレーニングをするのですが・・・ 実際に竿を手に制作に入ると、さあ大変! 全く思うように動作できません。
ガラスは熱いうちに形を整えていかないとすぐに冷めて硬化が始まってしまいます。
そして常に竿を回転させて重力でガラスが下に下がろうとするのを防がないといけません。まさに熱さと重力と重さとの戦いです。 皆 普段では絶対に見られないくらい真剣な表情で 熱心に作品づくりに没頭しているうちにあっという間に閉館時間を 迎えてしまいました。
1人30分の予定でしたが さすが?ICCメンバーは凝った作品が多く予想以上に制作時間がかかりました。 先生・スタッフの方がたも一般の体験者とは一味違ったデザインの作品に刺激を受けたと楽しんでおられたようでした。
(なんて、私たちの勘違い??)
真冬のガラスの企画は嫌われないか不安がありましたがこの熱いガラス体験は夏でなくて良かった、としみじみ思いました。
野田先生より、ICの社会的な役割としてガラスを知りたいなら まずガラスがどのようにして作られてるか実際に触れてみること が一番と、始まった今回の企画でしたが、実際に体験してわかったことはガラス1点1点に込められた価値が瞬間の一コマで つくられた唯一無二の作品であるということでしょうか。
美しさの裏には卓越した技術と 技術を支え、発展へむけて尽力されている工房の方々の努力があるのでした。 ちょうど、伺った日の前日に、アーティストの日比野克彦氏がこの工房で制作されていて私たちは運良くその作品の一端を 見ることができました。
工房では、このような世界的に活躍されているアーティストや全国及び世界の文化・生産事業と前向きに交流し富山から 発信する文化の発展へ向け努力されていました。
富山のガラス工房は世界的にみてもハイレベルな施設の充実ぶりと技術者の養成環境を持つ事から、入所希望者が全国各地 から入県しています。
残念なのはこのガラスを取り巻く環境を支えている富山市民・県民があまりこの工房のことを知らない、とのことでした。 「もっとガラスを身近に」から始まった今回の企画が ICとして今後の富山のガラスの発展に貢献できるきっかけになれば嬉しいで すね。
今回は野田先生はじめスタッフの方々の大変なご協力のお陰で ガラスに触れるよい機会となりました。
( 富山ガラス工房 ) 野田先生はじめ 工房出身の作家さん方のリンクもあります。是非覗いてみてください。
(長岡記)