ICCトヤマの活動

平成19年5月定例会報告
セミナー「ミラノサローネ2007レポート」

日 時 平成19年5月25日(火)
場 所 ギャラリーBAU
アフターセミナー ギャラリーBAU
参加人数 セミナー : 25人
アフターセミナー : 15人

今回の定例会は富山県デザインディレクターの桐山登士樹氏を講師にお迎えして、ミラノサローネ2007のセミナーを開催しました。20年にわたりミラノサローネを見続け、分析を続けていらっしゃる桐山氏ならではの内容で、デザインのことだけでなくその傾向の背景・裏側まで理解できるデザイン的かつ知的なセミナーとなりました。

少しその内容をご紹介します。(当日配布の資料等より抜粋)

1)全体 : センチメンタルかつラスティックなデザインは集大成へ。美しくてタフ、よりエッセンシャルなデザインへ移行する様子。
クラシックかつクラフト的な要素で「未完成さ」を売りにしたセンチメンタルでデコラティブなデザインが集大成を迎え、次の時代のデザインへと移行する時期である。 美しく大胆、フォーマルでありながらフォルムのラインを際立たせ、素材の持つ表情を最大限に活かすデザインが多くのメーカーで見られた。

2)マテリアル1 : スチール、アルミ、コパーなど金属を使用した作品が多くのメーカーから発表。

3)フォルム : 一枚の大きなシート(面)、リボンのような一本のストリップ(片)、長細い一本のワイヤ(線)を覆ったり、折り曲げたり、重ねたりしたデザインが目立つ。

4)カラー : 白や黒もしくはシルバーが目立つものの、三原色を中心に強いカラーを使用した作品も多数見られる。ただし2色以上を組み合わせるコンビネーションはあまり見られない。

5)マテリアル2 : 大理石やファー、ハラコなどここ数年あまり見なかった素材が再注目。

6)ファブリック:特定のファブリックはないが、フェルトのような厚手のものよりはポリエステルやサテン等軽いもの使われる。また継ぎ目(シーム)や縫い目(スティッチ)をアクセントに活かしたものも見られる。

7)パターン:東アジアモチーフのカラフルなパターンが見られる一方で、ロベール・ドローネーやロシアンアヴァンギャルドを彷彿とさせるパターンや色調のものも登場。全体的に絵画的な印象を受ける。

また、例年以上に多くの日本企業やデザイナーの参加が見られたそうです。

ミラノサローネとは?から始まり、1ヶ月しか経っていないにも関わらずミラノサローネの内容を項目ごとに分析したデザイン傾向、そして最後は著名なデザイナーの方々の写真も紹介いただきました。初心者にはミラノサローネを知る良い機械になり、ベテランICにとっては冷静に仕事に活かせる情報を得る貴重な機会となったことと思います。



セミナーに参加できなかった方、もう一度復習したい・もっと詳しく知りたい方は下記のアドレスにて桐山氏のレポートを見ることができますので、参考にしてください。
桐山登士樹+西中川 京 : Milano Slone 2007 傾向分析編
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/JDNREPORT/salone07/kiriyama2/

(林記)