ICCトヤマの活動

令和元年 10月 定例会 『地域・伝統・繋がりと賑わいのかたち 山町筋町屋散策』

日 時 令和元年10月17日(木)
場 所 高岡 山町バレーと山町筋
アフターセミナー : 山町バレー クラフタン
参加人数 8名
アフターセミナー : 8名
全体の様子

セミナー

はじめに 山町バレーに集合して、山町バレーの建物を見学しました。
予定外のことでしたが、山町バレーの設計施工を担当された建築家の菅野氏がいらしてくださり、説明をしていただきました。
菅野氏は有志とともに町衆高岡という会社をつくって、山町バレーに運営にも携わっていらっしゃいます。
山町バレーは旧谷道家。文具商を営んでおらました。建物は大正期に建てられ、昭和期に一度改修工事がされているそうです。平成での工事では、洋館のクラシカル雰囲気を残し、山町バレーとリノベーションされたそうです。
木造3階建ての建物ですが、予算の都合、消防設備に費用がかかりすぎることから、1階のみの利用とした建物となっているそうです。
中庭をはさんで土蔵群があります。通常長屋のように棟ごとに並んで建っているものが多くこうした土蔵群として形態をなしているのはめずらしいものだそうです。これまで谷道家にあった樹木をシンボルツリーと残し、今の山町バレーの景観をつくっているそうです。

菅野家
山町筋というのは、御車山と呼ばれる山車(やま)をもっている町ということから、山町といわれ、当時はここが国道筋にあって、大きな問屋、商家で栄えた道筋であったことから、山町筋といわれるそうです。商家の当主らは旦那衆と呼ばれ、山車の保存や、地域貢献において地域ではとても尊敬される存在で、今もそれは変わらないことです。
山町筋の土蔵造りの町屋は、明治33年の高岡大火の後、当時の防火建物である、土蔵造りで建築されています。
この通りの建物は2階建て、切妻、瓦葺きの土蔵造りの建物で、通りに面して軒を接して街並を形成しています。当時、財力があった高岡商人たちは、隣近所より、よりいいものを作りたいという気風があり、重厚な漆喰、華麗な装飾がほどこされたもの、レンガつくり、洋風のファサードをもつもの、といった、特色ある町屋の景観がつくられることになりました。
菅野家の建物は、明治33年に建てられました。当時の土蔵造りの町屋の特色が色濃く、よい状態を保って残っています。現在の当主が生活をされています。

『当時の建物がそのまま残って、なおかつ、そこに居住されながら、現存しているというのは素晴らしいことです。これはここ山町筋が他の町屋住宅にない魅力だと思う。この魅力を見て下さい』と建築家の菅野氏はおっしゃておられました。私もこれまでに知らなかった街の歴史、文化を知ることができ、伝統文化が、伝統を継承しつつ、現代の街と人とのつがなりと賑わいとなっていることにとても勉強になるものを感じました。

昆布〆体験
富山は昔から昆布を多く消費します。昆布は北海道でとれるもので、富山ではとれません。
にもかかわらず、これほど、昆布が食されるというのは、富山が北前船の中継地点で伏木、岩瀬に北海道からの産物も荷揚げされたことによるものです。
昆布〆には、利尻産の昆布を使用します。おだしに使われるものは、羅臼昆布です。
昆布〆体験では、昆布に湯通しした、野菜と切り身の魚をはさんで、昆布〆をつくりました。真空パックにしていただき、自宅に持ち帰りました。2日後がちょうどいい食べごろになるそうです。楽しみです。

セミナーの様子

アフターセミナー

昆布〆体験に引き続き、クラフタンさんで、アフターセミナーとなりました。
クラフタンさんおすすめの昆布〆コースをいただきました。山町バレーの中庭がライトアップされるのを見ながら、和気あいあい富山の地域ごとの文化について、話が盛り上がりました。

アフターセミナーの様子

( 広野・上田 記 )